2017.02.08

相続

養子縁組で節税?

こんにちは。富山の行政書士法人 SRS結 片山です。

 

突然ですが、『相続税』とは、どの位の遺産があった場合に納めなくてはいけないかご存知でしょうか?

 

3000万円+(600万円×法定相続人の数)=【基礎控除】 

 

【遺産総額】から上記の【基礎控除】を差し引いた後、残った遺産額に対して原則として税金(相続税)がかかります。

 

例えば、遺産総額6000万円、相続人が配偶者と子ども2人の場合、

 

3000万円+(600万円×3人)=4800万円(基礎控除)

 

6000万円ー4800万円=1200万円 ←に対して相続税がかかります。

 

上記はあくまでも概算でして、借入金などの借金や葬儀費用、生命保険金の非課税限度額など、さらに遺産から引くことのできる控除があるのですが、それでも遺産が多い場合には生前に何らかの対策というのが必要になってくるのではないでしょうか。

 

対策の1つとして、「養子縁組をして法定相続人を増やす」というものがあります。

 

 

  • 相続人が1人増えると、基礎控除額が600万円増加
  • 相続人が1人増えると、生命保険金非課税の枠が一人分の500万円が増加

ということで、養子縁組をすることで相続税を減らすことができるんですね。

 

ただし、養子縁組をすれば何人でも基礎控除額が増加するということはなく、税法上は、⑴ 被相続人に実の子供がいる場合1人まで ⑵ 被相続人に実の子供がいない場合2人までです。

 

先般、「節税目的の養子縁組」が有効かどうかが最高裁で争われ、「節税の動機と縁組の意思は両立するため、節税が主な目的であっても縁組が無効になるとは言えない」との判断が示されました。

 

この判決は、『節税目的の養子縁組は必ず有効だ』と保証しているわけではなく、あくまでも『節税目的が縁組意思と矛盾しない』と言っているに過ぎないということです。

 

養子縁組の制度は古くから存在し、家族間の扶養や家族の絆を深めるために行われてきたのかと考えます。また、婿養子や孫養子といった養子縁組形態があり、これらは結婚や親族関係、相続などの観点からも重要な役割を果たしてきたのかと考えます。

 

節税だけを目的とした養子縁組が行われることも少なからずあろうかと思いますが、多くは、養子縁組制度の趣旨に即した縁組がおこなわれる中で、反射的利益として節税となっているのではないかと考えます。

 

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